「これ買って」
子どもにそう言われたとき、どう答えていますか。
- 「ダメ」と即答して、あとで少し罪悪感がある
- お小遣いを渡したいけれど、いくら・どうやってが分からない
- 「お金の教育」と聞くと大げさで、何から始めればいいのか見えない
わが家も、最初はそうでした。
いまは、小学生の娘に毎週土曜日、200円を渡しています。それを「つかう・ためる・まもる・ふやす」の4つの箱に分ける。始めてから、半年ほどたちました。
この記事では、金額・分け方・実際に起きたこと・うまくいっていないことまで、全部書きます。
削るのはムダだけ。思い出は削らない。——子どもが自分で決めて使ったお金は、ムダではなく経験です。
「欲しい!」に、すぐ「ダメ」と言わない
まず、お金の話の前に、わが家が決めていることがあります。
「欲しい」と言われたとき、すぐに「ダメ」と言わない。
ダメと言えば早いのですが、それだと子どもは「欲しいと言ってはいけない」と学ぶだけです。考える機会が消えてしまいます。
代わりに聞くのは、こういうことです。
- それ、いつ使う?
- 似たもの、家にない?
- こっちとこっち、どっちが欲しい?
買うかどうかより、「考える時間」を挟むこと。そこがいちばん大事だと思っています。
「それ、おにぎり何個分?」で価値を考える
子どもに「500円」と言っても、その重さは伝わりません。数字はまだ、ただの数字です。
だからわが家では、身近なものに置き換えます。
「それ、コンビニのおにぎり何個分?」
500円なら、おにぎり3〜4個分。1,000円なら7個分。「毎日食べるおにぎりが、7個も買える」と言うと、子どもの表情が変わります。
そしてもう一段。
毎日使うもの(靴・文房具)→ 少し高くても、1日あたりにすれば安い 年に1回しか使わないもの → 安くても、1回あたりにすれば高い
「高いか安いか」ではなく「1回あたりいくらか」で見る。 大人の家計とまったく同じ考え方を、おにぎりで教えています。
お小遣いの仕組みは、AIと壁打ちしながら考えた
「お小遣いをどう渡すか」は、正直、ひとりで考えても答えが出ませんでした。
そこでAIに、「子どもに身につけてほしいお金の力は何か」「それを育てる渡し方は」と、何度も聞きながら整理しました。
そこで出てきた考え方が、この4つです。
つかう力・ためる力・まもる力・ふやす力
そして、月1回より週1回のほうが、「使う→なくなる→また入る」のサイクルが早く回って、感覚が育ちやすいという示唆をもらいました。
ひとりで悩まず、外の知恵を借りて設計する——これは、家計全般にも言えることだと思っています。
週200円と、4つの貯金箱
ここから、わが家の実際の仕組みです。
| 項目 | わが家 |
|---|---|
| 金額 | 毎週土曜日に200円 |
| 始めた時期 | 小学生になってから |
| 箱の数 | 4つ(つかう・ためる・まもる・ふやす) |
分け方には、固定の部分と本人が決める部分があります。
| 箱 | 金額 | 意味 |
|---|---|---|
| まもる | 50円(固定) | 何かあったときのお金。大人の生活防衛費と同じ |
| ふやす | 50円(固定) | 増えていくお金。投資の感覚を育てる |
| つかう | 残り100円を | 好きに使えるお金 |
| ためる | 本人が決める | 欲しいもののための貯金 |
「まもる」と「ふやす」は、大人が決めて固定。 ここは、子どもの判断に任せると入らないからです。
残りの100円をどう分けるかは、毎回本人が決めます。 全部「つかう」でもいいし、全部「ためる」でもいい。決めるのは娘です。
金額は、年齢に応じて変えていくつもりです。ただ、いつ・いくらにするかはまだ決めていません。それも正直なところです。
「ふやす」の箱は、月末に5%増えます
4つの中で、いちばん工夫しているのが「ふやす」です。
月末に、「ふやす」の箱に入っている金額の5%を、親が足します。
箱に1,000円入っていたら → 月末に50円増える 箱に2,000円入っていたら → 月末に100円増える
入れておくだけで、増える。 これを、娘と一緒に数えながらやります。
「えー、すごいね!」——毎月、娘はそう言います。お金が増える体験を、遊びの延長でしている感じです。
これは、将来投資を「怖いもの」ではなく「お金を育てる手段」として受け取ってほしいからです。わが家自身が新NISAで積立をしているので、その感覚を、子どものうちに持ってもらいたい。
「増える」を知っている子は、大人になって「減るのが怖い」だけで止まらない——そう信じてやっています。
半年で、こう変わりました
始めたころと今で、娘の行動ははっきり変わりました。
最初は「ためる」の意味が分かっていなかった
始めた当初、娘は残りの100円をほぼ全部「つかう」に入れていました(笑)。「ためる」が何のためにあるのか、ピンときていなかったんだと思います。
いまは「○○円必要だから、ためるに入れる」と言う
半年たった最近は、こう言うようになりました。
「これ買いたい。○○円いるから、ためるに入れる」
目標があって、そのために貯める——この流れが、自分の口から出てくるようになりました。誰も教えていません。箱があるから、そうなったんだと思います。
「欲しいの度合い」で判断できるようになった
これは、お小遣いの外の話です。
先日、2種類のぬいぐるみを前にして、娘がこう言いました。
「どっちも欲しいけど、こっちのほうが欲しいから、もう1つは我慢する」
正直、驚きました。「どっちも欲しい」で止まらず、「どっちがより欲しいか」で決めた。子どもも大人も、あれもこれも欲しい生き物です。その中で優先順位をつけることが、少しずつできるようになっている。
もちろん、常にではありません(笑)。でも、半年前にはなかった判断です。
使い道は「アドバイスはするが、否定はしない」
娘が「つかう」の箱から買っているのは、シールやシール帳、クレーンゲームあたりです。
親から見れば「そんなものに」と思うこともあります。でも、わが家は否定しません。
買う前 → 「それ、どれくらい使う?」「似たの持ってない?」と聞く 決定 → 本人に任せる 買った後 → 口を出さない
自分のお金は、自分の好きに使えばいい。 決定権は本人にあります。
そして「我慢した」「失敗した」かどうかは、親には分かりません。親が失敗だと思っても、本人にとっては満足な買い物かもしれない。それを判定するのは、親の仕事ではないと思っています。
失敗も含めて、自分で決めた経験がいちばんの勉強です。
正直、うまくいっていないこと
いいことばかり書くのは違うので、課題も書きます。
「ふやす」の5%が、続けられるか分からない
箱の金額が増えると、月5%はけっこうな負担になります。2,000円で100円、5,000円なら250円。毎月です。
対策として考えているのは、率を下げること。ただ、頻度を半年や1年に落とすと、「増える」感覚が育たない気がして、そこは迷っています。
高学年くらいになったら、年率5%程度の現実的な数字に寄せていくつもりです。いまは「感覚を育てる期間」と割り切っています。
金額を、いつ・いくら上げるか決めていない
「年齢に応じて」とは思っていますが、具体的には決めていません。ここは、来年また考えます。
向いている人・やめたほうがいい人
✅ 向いている人
- 「ダメ」と即答して、あとで少し後悔することがある
- お小遣いを始めたいが、金額と渡し方で止まっている
- 自分自身が投資をしていて、その感覚を子どもにも持ってほしい
- 子どもの「無駄遣い」を、経験として見守れる
⚠️ やめたほうがいい人
- 子どもの買い物に、つい口を出してしまう(それだと箱が機能しません)
- 毎週渡すのが負担になりそう(月1回でも大丈夫。回転は遅くなりますが)
- 「ふやす」の利息を、家計として払い続けるのが難しい(3つの箱から始めてもOKです)
4つ全部そろえなくていいと思います。うちに合う形で、まず「つかう」と「ためる」の2つからでも十分です。
まとめ:小さな「考える習慣」を育てる
- 毎週土曜に200円。「つかう・ためる・まもる・ふやす」の4つの箱
- 「まもる」「ふやす」は50円ずつ固定。残りは本人が決める
- 「ふやす」は月末に5%増える。娘と一緒に数える
- 半年で、「○○円いるから、ためる」と言うようになった
- 「どっちがより欲しいか」で優先順位をつけられるようになった
- 使い道は否定しない。決定権は本人
- 5%が続けられるかは、正直まだ課題
難しいテクニックは、いりません。
価値を考える。お金の役割を知る。自分で決める。 この3つを、小さく繰り返すだけです。
「これ買って」と言われた次の週末、200円と、4つの箱から始めてみませんか。それがスタートです。
📎 「ふやす」の元になっている、わが家自身の投資の話は投資は、怖くない|わが家の新NISAの始め方に書いています。
📎 「決めるのは本人」という考え方は、子どもにスマホをいつから持たせるかにも通じています。



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